前回のあらすじ
前回はコメントがつかない、という事についてお話ししました。
話を戻しまして今回は白ちゃん解説動画の裏話、音声をつけた事によって発生する事になった問題について書いていきたいと思います。
音声をつける事によって、映像は視覚で、説明は聴覚で、と五感を分担する事によって解説動画というのは頭に入り易くなります。
それは良い事なのですが、FF14はコンテンツが高難易度化するほどにギミックの密度が濃くなっていきます。
絶コンテンツなどはその最たるものですね。
ギミックの密度が濃くなるとは、言い換えれば”やることが多くなる”とも言えます。
やることが多くなれば、それを解説する側は”解説することが多くなってくる”わけですね。
数字で表してみると、やることが1分間に3つあるなら1つにつき20秒かけて説明すればいいのですが、やる事が5つになれば1つの説明に割ける時間は12秒となります。
そうやって説明に割ける時間が短くなっていくとどうなるか…
「説明しきれない」または「一瞬で流してしまう」という事態が起きてしまいます。
”文字なら行数を増やすだけ”とも思いますが、長文のテロップを数秒間だけパッと出されても読む前に消えてしまいます。
そして音声に至っては”読み上げる時間”というものが存在するので短縮するのにも限界があるのです。
その結果どうなってしまうかと言えば皆さんがご想像しているとおり”間に合わない”という事になります。
視覚的に見て貰えば分かりやすいかもしれませんので、動画の編集画面を表示してみましょう。
FF14コンテンツの一部分をピックアップしたものだと考えて下さい、零式の〇〇フェーズなどの部分ですね。
御覧のとおり、ゲームの進行時間に対して、音声の読み上げ時間の方が大幅に超えてきてしまいます。
コンテンツはこの後もフェーズが変わって説明するべきものが来るので、どこかでオーバーしてしまうとその後の説明がゲーム画面とズレてしまい、分かり難い動画となってしまいます。
つまり、解説動画というは”実際のゲーム進行時間内に説明を収める”というのがとても大切なのです。
となると、実際の進行時間に説明を収めるためにはどうしたらよいでしょうか?
① 説明を省く
② 1つの説明を数秒で終わらせる
というのが考えられますが、どちらもあまり好ましくはありませんね。
①は”ジョブ解説動画”の場合は状況により選択もしますが、”ギミック解説動画”の場合は致命的な悪手です。
②は視聴者が一時停止して見なければならず、解説動画としてちょっと不親切です。
音声つきの場合は音声も止まってしまいますからこの手法を選択する事はできません。
そこでこの問題を解決するために使用されるのがこの手法です
時間停止です。
視聴者に一時停止をして貰うのではなく、製作者側でゲーム画面を一時停止してしまおうというものですね。
これなら編集でいくらでも調整が可能なので複雑な説明が必要な時でもテロップや音声が付けられます。
そしてちびセサミがよく使っていたもう一つの手法
スロー再生です。
時間停止も素晴らしい手法ですが「説明をあらかた終えた後にゲーム画面で確認する」という段取りの為”さっき何を言ってたか忘れちゃった”という視聴者さんもいるかもしれません。
そこで、”一時停止ではなくスロー再生にする事で時間を引き延ばして説明する”というものですね。
また、↑の画面の様に瞬間的な判断が必要な場面で”製作者の判断を追って理解する”という場合にも役立ちます。
ちなみに一時停止とスロー再生の編集の手間はほぼ同じですが、どちらかと言えばスロー再生の方がちびセサミ的には手間でした。
一時停止は”止めたいタイミングで画面を分割して、間に止まった瞬間の静止画を挟む”という編集作業です。
静止画は音楽がなくて寂しくなってしまうので、静止画の間は別の音楽を挟むことになります。
編集画面ではこのような感じになります。
スロー再生は
① スローにしたい部分を切り抜いて複製
② 再生時間の変更を行う
③ ゲーム画面を分割し、スロー画面を間に挟む
④ 音楽もスローで間延びするので別の音楽を入れる
という編集作業になります。
編集画面で見ると、このような感じです。
編集画面では違いが分からない?
それでは実際の動画で違いを確認してみましょうか、断っておきますが”こっちの方が優秀でこっちはダメ”というお話ではありません、あくまで手法の話なので”状況に応じて使い分け”をします。
そこをご理解のうえご覧ください。
※ 音が流れますので音量に注意して下さい。
一次停止
スロー再生
という感じです、違いがお分かりになりましたか?
どちらの手法においても大事なのは”ゲーム画面から乖離しすぎない”(視聴する側が自然に受け入れられる)様に工夫をする事と”多用しすぎない”事です。
多用しすぎると動画全体の再生時間が長くなり、視聴者が離れてしまいます。
という訳で、音声をつける事による問題は
ギミック密度が濃くなることで時間内に説明しきれなくなる
ということで、それを解決するために
一時停止やスロー再生という手法を使って解決する
というお話でした。
単純に視聴者に分かりやすい動画を作ろうと思うとどんどん手間が増えていくよ。というお話ですねw
動画製作をしてみようと思ってる方は参考にしてみて下さい。
次回の白ちゃん解説動画裏話の内容はまだ未定です。動画の時間についてでも書いてみようかなとも思ってますが、記事としてネタになるかどうか分からないので……